解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第26問

誘発脳波計測について誤っているのはどれか。

1: 脳手術時のモニタリングに利用される。

2: 刺激から潜時をもって誘発電位が現れる。

3: 刺激に同期して誘発電位の加算平均処理を行う。

4: 聴性誘発電位計測にはクリック音が用いられる。

5: 安静時脳波よりも誘発脳波の電位変動は大きい。

誘発脳磁図とは特定の刺激(体への刺激、音の刺激、視覚的な刺激)を受けた際に、その刺激によって誘発された脳の活動を脳磁図として計測したものである。

1:各種誘発脳波の計測により、末梢の感覚受容器から脳幹を経由して大脳の感覚野にいたる経路の異常や、脳腫瘍、脳梗塞などに伴う中枢神経系の異常が検知できる。脳手術時のモニタリングや脳死判定の補助診断にも用いられる。

2:刺激を与えてか らM波が立ち上がるまでの時間を潜時といい、遠位潜時とは、特に末梢の手関節や足関節部で刺激を与えてからM波が立ち上がるまでの潜時をいう。

3:外部からの物理刺激と同期した誘発電位、誘発脳磁界は刺激時点を基準に加算平均しても振幅は減少しないのに対して、外部刺激と同期していない自律神経活動は加算平均によりお互いを打ち消し合うため振幅が減少する。誘発電位、誘発脳磁界のS/N比は試行回数の平方根に比例して向上する。例えば100回の試行を加算平均するとS/N比は約10倍になる。

4:聴覚誘発電位は音刺激(クリック音)により、体性感覚誘発電位は、上肢または下肢に電気刺激を加える。視覚誘発電位は、光刺激(フラッシュ刺激、パターンリバーサル刺激)を用いている。

5:正解。安静時脳波は20~30µV程度、体性感覚誘発電位と視覚誘発電位では数µV、聴覚誘発電位は0.1~0.5µV程度である。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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